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4200件目記念インタビュー

Barrelの収録文献が平成24年3月30日に4200件を超えました!

4200件目の文献は,片岡正光名誉教授による,
片岡, 正光 and 神原, 冨民 (1974) ヨウ化物イオン電極によるバナジウム(IV)の接触分析. 分析化学, 23(10): 1157-1160でした。

片岡先生にお話を伺いました。

MrKataoka
Q:登録4200件目の論文「ヨウ化物イオン電極によるバナジウム(IV)の接触分析」は、どのような内容ですか?

 水の中に溶けているバナジウムの濃度を高感度に分析する、すなわち低濃度のバナジウムVIを高選択的に分析する方法を開発したということについての論文です。世界で初めてこういった方法を見出したので論文にしました。
酸性溶液中での塩素酸イオンとヨウ化物イオンとの反応をバナジウムが触媒する、すなわちバナジウムの濃度が高ければ反応が速く進むし、低ければ反応が遅いということを利用してバナジウムを高感度・高選択的に分析しました。


Q:この研究をはじめられたきっかけは何ですか?

 ずっとイオン電極の応用について研究してきました。この論文では酸化剤として塩素酸を使っていますが、過酸化水素を使う研究も行っていました。バナジウムを取り上げた理由ですが、バナジウムの分析法が多くなかったですし、この方法は高価な分析機器を必要とせず高感度で高精度の分析ができるということに特長があります。触媒としてバナジウムが働いていますから、触媒作用がない物質が大量に混入していてもほとんど影響がないのです。そういった意味でも選択性の高い方法といえます。 


Q:現在の研究について教えてください。

  商大での研究は、小樽運河とか水源の水といった主に水環境についてでした。それは商大でのゼミ生の研究ということになると、今までのイオン電極を応用した研究などの理学部的なものよりは、環境や、石鹸製作などの研究がよいのではないかと思ったからです。小樽市の公害対策委員会の委員長を10年以上やっていましたので、小樽市の環境、特に水環境に対して関心を常に持っています。数週間に1度は、小樽運河に行って現地で水質の測定をしたり、水を持ち帰って分析したりしていました。
商大では北大時代の分析化学の研究はスローダウンし、教育に力を注いできました。化学の講義の教科書で使っている本を書いたり、環境化学のシリーズなどの啓蒙書の編集も手がけました。


Q:Barrelに掲載された文献をどのような人に読んでもらいたいですか。

 登録されている論文は、アクセス数が多いと聞いていますが、化学の分野の研究というのは、他の人と同じ研究をしてもほとんど意味がないので、文献をとにかく検索します。そういった点から考えると化学の研究者からのアクセスが多いのかもしれません。
一般の方や商大生にとっては、北大時代に書いた論文は難しいかもしれませんね。


Q:Barrelについてご意見,感想をお願いします。

 商大のBarrelは文系中心のコレクションだと思いますので、市民の方々もアクセスしやすいということもあるのかもしれません。以前は、研究者からの抜刷請求に応えるのも大変でしたが、今はBarrelで読んでもらえるので、とても便利になりました。また、Barrelは退官しても、ずっと論文が残るということで、研究者としてはありがたいと思います。


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片岡先生、お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。