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お知らせ

5000件突破!!記念インタビュー
 
平成29年9月に登録件数が5000件を突破しました!
突破記念として、企業法学科の竹村 壮太郎先生にインタビューをしました。

  


Q:先生のご専門である、民法と不法行為法について、簡単にご説明ください

A:法律には色々な法律があります。刑法とか憲法とか他にも沢山ありますよね。その中で、我々の生活についてのルールを特に規律しているのが民法という法律です。 その民法の中でも、例えば交通事故などの事故に遭い、それによってケガをしてしまって働けなくなったとか、治療費がかかるとなった時に、その損害を誰がどういう理由で負担するのかというところを扱うのが不法行為法です。
 
Q:一口に不法行為法と言っても、色々な専門分野に分かれているのではないかと思いますが、先生はどのようなことについて研究をされていますか?

A:例えば、事故が起きて損害が生じてしまったけれども、被害者にも何か落ち度がある場合がありますよね。被害者が赤信号なのに道路に飛び出してしまい、交通事故にあってしまった例をあげるとわかりやすいでしょうか。
そのように、事故が起きて、加害者に対してなんらかの不法行為責任が認められそうだけれども、加害者以外にも原因があるのではないかとなった時に、それが加害者の責任にどのように影響していくのかを考えています。例えば、責任を全部免れさせるべきと考えるのか、それとも何割だけ損害を負担してくださいよというように、割合的な解決をはかってくのか、そのような問題について研究していますね。

Q:先生は、フランス法も研究されていらっしゃるのでしょうか?

A:そうですね。日本法における法制度の在り方を考えるときに、諸外国の法律事情を参考にしたりすることがあるのですが、私の場合は、フランスの法律を参照することが多いです。
 
Q:法律関係の本でおすすめのものがありましたら教えてください

法のことわざと民法

A:この本は法律、特に民法の入門書のようなものです。例えば「約束は守られるべし」など幾つかのキーワード(ことわざ?)を挙げ、それに関わる法律のルールを少し掘り下げていくという形で話が進められています。最近の本のように絵などが載っていたりはしない、やや硬派な本ですが、キーワードは頭に残りやすく、それを思い出せば、なんとなく民法のルール全体が見えてくるように工夫されています。

 ・法窓夜話

A:これは何かの入門書というわけではなく、穂積陳重博士が、ご子息の穂積重遠博士に語ったとされる、法律に関わる小話を集めたものです。やや古めの本に感じられるかもしれませんが、外国における、幽霊に対して訴訟を起こす話など、興味深い話がいくつも載っていて、法律を学び始めている方にも、これからという方にも、新鮮な刺激がもらえるものだと思います。
法律系のオススメ本を聞かれると、大概は挙げられる著名なものです。この穂積陳重という人物は現在の民法の起草に深く関わった人ということもあり、講義の初回に参考文献として取り上げたこともあったかと記憶しています。

Q:Barrelに掲載された文献をどのような人に読んでもらいたいですか?

A:私の書いたものについて言えば、特にどなたかと限定してはいません。あえて言えば、皆様、ということになるでしょうか。実務に携わっておられる方や研究者はもちろんですが、そうではない方々にも目を通していただき、何か考えるきっかけにしていただければ幸いです。
当然、小樽商科大学の学生の皆様にも読んでいただきたいですね。文献にもアクセスしやすくなっていますし、同じ大学にいるわけですから、多少なりとも読んでみて、批判や、疑問に思ったこととか、感想でもいいので、直接言っていただけると、こちらも応えられるものがあるかな、と。そうして研究していくことにも興味を持ってもらえたら嬉しく思います。


Q:Barrelについてご意見、感想があればお願いいたします。

A:最近Barrelをはじめとした、文献へのオープンアクセスの試みが活発になっているかと思われます。これは非常にありがたことで、あちこちに直接出向かなくても必要な情報を集めることができるようになってきましたし、誰にでも読んでもらえるようになってきました。
研究に限ったことではありませんが、人が何かを考え出そうとする際には、今ある情報を広く集めて、精査していくことが出発点になるかと思います。そこで様々な考え方に触れ、新しい発想が生まれて、議論が次の段階へと進んでいくわけです。この点で、社会が進展していくためには、人と情報を出会いやすくする必要があるわけで、こと研究論文などの基礎的な知見を提供するものについては、やはりなるべくオープンにしておく方が好ましいように考えています。今後のさらなる知見の発展には、Barrelのような試みが大きな役割を果たしていくように感じています。これからの動向に注目していきたいですね。

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竹村 壮太郎先生のBarrel公開論文はこちらです!(2017.10.13現在)

認知症高齢者の列車事故につき,近親者の損害賠償責任が認められなかった事例

医療過誤事例における素因減責の現状とその課題


竹村先生、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
「社会が進展していくためには、人と情報を出会いやすくする必要がある」。本当にその通りですね。
Barrelがそのための一助となるよう、一層努めて参ります。