1500件目記念インタビュー

Barrelの収録文献が平成21年1月28日に1500件を超えました!

1500件目の文献は,山本眞樹夫学長による,
山本, 眞樹夫 (2002) 小樽商科大学における社会人大学院教育 : 地方文系単科大学の一事例. 高等教育ジャーナル, 10: 119-126でした。

山本学長にお話を伺いました。

GakuchoQ:登録1500件目の論文「小樽商科大学における社会人大学院教育 : 地方文系単科大学の一事例」の内容と書かれたきっかけを教えてください。

当時、北大で社会人教育に関する全国的シンポジウムがあって、そのとき本学は既に札幌サテライトで社会人対象の大学院教育を行っていたので、学生部長だった私がそのことに関してシンポジウムで発表しました。その内容をまとめてくれと言われ高等教育機能開発総合センターの紀要で報告したものです。
それまでの本学の大学院は、低迷していた時期が長かったのです。入学定員は20名だったのですが、応募人数がゼロという年もありました。将来的にはMBAにつなげようという構想は当時からありましたが、専門職大学院という形もなかった状況です。
当初は研究拠点という位置づけで、札幌サテライトを設置しましたが、そこで大学院教育を行ったことによって、社会人の院生が急激に増えました。専門職大学院を置くと同時に札幌サテライトは今の場所に移転しました。
道内でも専門職の大学院が増えてきています。研究職ではなくて、専門職といいますか、本学の場合はマネジメントに特化しています。


Q:現在のご興味について教えてください。

本学は全国的にも注目されていますし、うまくいっているのではないでしょうか。専門職大学院の認証評価(大学は7年毎、専門職大学院は5年毎に受ける認証機関による大学として適切かという評価)も、まだ未公表ですが合格と聞いています。
現在関心を向けていることというと、今のところは、次期中期計画についてと、その翌年の百周年について、また学部教育の改革についてです。百周年の目玉には、学生寮の再建が挙げられます。1982年に学生紛争で智明寮がなくなりました。それから本州からの入学生が少ないのも原因のひとつですが、ずっと寮がなかったんです。昔は四人部屋とかでしたが、今の学生には合わないと思います。ただ、共同生活には教育的な側面からメリットもたくさんありますので、プライバシーを保ちながら共同生活のよさも兼ね備えた寮にしたいと思っています。私は8LDKといっているんですが(笑)、8人規模のユニットに分けて、寝室は個別、トイレ、シャワールーム、キッチンは共有という構想です。ユニット毎には完全にセキュリティが確保されていますので、男女混住できます。6階建てで100人ほど収容できるようなものになる予定です。これから、教職員の方をはじめ、市民の方からも広く募金をつのる予定ですので、寮費を出来るだけ安くするためにも、是非ご協力をよろしくお願いいたします。


Q:Barrelについてのご感想をお聞かせください。

全文検索ができるんですよね。昔はよく図書館を利用しましたが、資料が貸し出されていると利用できなかったですし、大学の紀要を検索するのは面倒でした。オンラインでいつでも誰でも利用できるようなシステムは、ものすごく便利だと思います。商業雑誌については版権の問題で難しい部分もあるのかなと思いますが、私の論文について言えば、著作権をクリアできればどんどん掲載していただきたいと思います。
図書館について言えば、学生用図書が少ないということで、2年間の補正予算を措置しました。この機会に充実してもらいたいと思っています。また、本もそうですが、雑誌論文も研究、学習にとって必要な文献です。電子ジャーナルで誰にでも読めるようになればいいなと思います。
また、学内では様々なプロジェクトの報告書が作成されています。そういったものもどんどんBarrelで公開されていけばいいと思います。論文というのは自己満足で書くものではないので、研究業績として公表した文献について、Barrelのようなコレクションで公開していくのは当然のことだと思います。昔書いた論文は公開することにためらいがあるという意見もあると聞きましたが、その研究者の成長の過程を公開することにもなりますので、有意義なことだと思います。
私の書いた論文については、せっかく書いたんだから、Barrelで公表してもらいたいです。先日、同窓会誌の「緑丘」に書いた市民大学講座の講演録についても、是非知っていただきたいことを書いていますので、可能であれば公開してもらいたいですね。商大の先生方の研究業績として公表されている文献をBarrelに入れることができると、かなりBarrelも充実していくと思いますよ。


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山本学長、お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。



先生方のご協力のおかげで正式公開から10ヶ月あまりで登録論文数も1500編を越えました。ありがとうございました。1500編は先生方の御著作のほんの一部でしかありませんので,これからも先生方の研究成果の公開につとめていきたいと思っております。今後とも,ご著作をより多くの人々へ届けるため,論文等をBarrelへ寄贈いただきたくよろしくお願いいたします。