Barrel登録を記念して、2010年4月に小樽商科大学に赴任された企業法学科の南健悟先生にお話を伺いました。
Q:商大の印象はどうですか?
まずは、坂を上ってくるのが大変ですね(笑)
母校の静岡大学も山の上にありましたが、小樽商大はそれと比べてもかなり辛いです。家からバス停までは遠いので、毎朝汗だくになりながら歩いて上っています。あと、商大は学生が元気ですね。サークルや部活をやっている人が多いですし、学内に限らず、学外でも積極的に頑張っているのに感心しています。
Q:先生の研究内容について教えてください。
商法が専門ですが、その中でも会社法を研究対象としています。
会社法とひと口に言っても広いので細分化して述べますと、「法令遵守体制の構築義務」、いわゆるコンプライアンスについて研究しています。株式会社の法令違反を抑制するようにするためにはどうしたらよいか、について主に考えています。
「法令遵守体制の構築義務」は会社の取締役に課せられている義務であり、具体的にいえば、会社内の人々が法令に反しないようにする体制を構築するにはどうしたらよいか、そして違反があった場合に取締役はどのような対処をすればよいか等を分析するのです。
例として、ダスキン株式会社の経営するミスタードーナツが起こした事件を挙げてみます。ミスタードーナツで販売している肉まんに、食品衛生法で認められていない添加物が使われていたという問題が以前、持ち上がったことがありました。裁判では、食品衛生法に反しない形で会社が業務をおこなえる体制があったかどうかについて争われたのですが、この際、取締役がそのことを隠し通そうとしたことについて、裁判所は取締役に厳しい判決を下しました。このような法的問題について研究しています。
Q:ご担当の講義について教えてください。
前期は、専門ゼミと基礎ゼミを担当します。
基礎ゼミは主に1年生ですので、図書館の使い方や、新聞記事を読んで文章を要約したり、専門書を読み、纏めて報告したり、といった内容の授業をしています。
専門ゼミでは、会社法に関する様々な事件を、判例を読みながら分析する授業をおこなっています。
後期は、商法の中でも、会社法に関する授業を担当する予定です。
Q:Barrelと図書館に期待すること、要望などについて聞かせてください。
まだ商大に赴任して2ヶ月で詳しくないですが、Barrelの機能は本当に素晴らしいと思います。多くの論文などを公表するためにはとてもいいシステムなので、私もどんどん載せてゆきたいと思っています。
また、図書館への要望ですが、あえて、一点挙げるとすると、雑誌が何箇所かにばらばらにあって、配架場所が分かりにくいかもしれません。例えば、何号と何号は雑誌室にあり、その間にある号の雑誌は書庫にあったりして、何度も行ったりきたりすることがありました。しかし、他には今のところ不満はありません。とても使い勝手が良い図書館であると思います。
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南先生、お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。
これからも附属図書館では、先生方の研究成果の公開につとめていきたいと思っております。今後とも、ご著作をより多くの人々へ届けるため、論文等をBarrelへ寄贈いただきたくよろしくお願いいたします。