Barrel登録を記念して、2010年4月に小樽商科大学に赴任された企業法学科の小島陽介先生にお話を伺いました。
Q:商大の印象はどうですか?
こちらに来て最初に感じたことは学生さんの意欲が高いなということです。
例えば「刑法」の講義を受け持っていますが、講義中、私語が全くないことが多く、講義の後は、質問に来られる学生さんが多いことに驚きました。なかには研究室を訪ねてきてまで質問された方もいらっしゃいました。
また、北海道に初めて来ての印象でもあるのですが、人々の暮らしや表情がとても明るくて、外交的な方が多いという印象を受けました。私が生まれ育った大阪と比べても決して引けを取らないと思います。本州育ちの私が雪国の人に対して抱いているイメージというものがあったと思うのですが、よい意味で裏切られました。
Q:先生の研究内容について教えてください。
刑法には、実体法、訴訟法、刑事政策という分野がありますが、私は実体法の共犯論を専門にしています。なかでも最初に取り組んだのが、Barrelにも論文を提供させていただきましたが、幇助というテーマです。現在は幇助ないしは、人に犯罪を起こさせるという教唆、この2つを中心に研究しています。
この研究をはじめた、もともとのきっかけは指導教授が与えてくださったテーマということでしたが、自分でも研究をすすめていくうちに奥が深いというか、もっと掘り下げて研究していきたいと思うようになりました。
Q:ご担当の講義について教えてください。
昼間コースと夜間主コースの「刑法」と、1年生向けの基礎ゼミを担当しています。「刑法」の授業では、昼間コースは4単位、夜間主コースは2単位と時間数が異なっていますので、夜間主コースでは、昼間コースと話さなければならない内容は同じですが、時間数が少ないということで、昼間コースの内容をいかにして必要なだけの厚みをもって圧縮できるかということで毎週苦労しています。
Q:Barrelと図書館に期待すること、要望などについて聞かせてください。
商大に赴任して初めてBarrelのようなシステムがあることを知りました。インターネット提供は、これからの若い研究者、あるいは一線で活躍する研究者にとっても先行業績を調べる際に役に立つと思います。また、発表する側にとっても、いろいろな人に読んでもらえるので、大きな可能性を秘めたシステムであると思います。
このようなオンライン公開をしている大学は他にもあると思いますので、そういったところと連携し、こういった便利なシステムをもっと知らしめていっていただきたいと思います。
図書館についてですが、判例集は最新のものが3階の判例資料室に置いてあるため混乱することもありました。今のところは講義に使う教材作成のために主に図書館を利用していますが、必要なものがどこにあるのか把握できたということもあり、大きく不便と感じているところはないです。これから必要に応じてリクエストを出させていただくかもしれませんので、その際は、どうぞよろしくお願いいたします。
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小島先生、お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。
これからも附属図書館では、先生方の研究成果の公開につとめていきたいと思っております。今後とも、ご著作をより多くの人々へ届けるため、論文等をBarrelへ寄贈いただきたくよろしくお願いいたします。