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お知らせ

5000件突破!!記念インタビュー 
 
平成29年9月に登録件数が5000件を突破しました!
突破記念として、一般教育の後藤 良彰先生にインタビューをしました。




Q: 先生のご専門は数学ですね。その中でも何について研究されていますか?

A: 特殊関数について研究しています。大きなくくりでいうと、解析に含まれる分野です。関数については皆さんご存知だと思います。その関数の前に「特殊」という言葉が付いていますが、沢山ある関数の中でも、いい性質を持っている関数を特殊関数と呼んでいます。
例えば、多項式(x2、x3など)・sin(サイン)・cos(コサイン)・tan(タンジェント)、log(ログ)とか、皆さん勉強されたことがあるかと思いますが、そういう名前が付いているような関数について色々調べています。


Q: 関数について簡単に説明していただけますか?

A: 何か数字を1個入れたら別の数字が返ってくるというのが関数です。例えば比例の関数y=2xは、何をやっているのかというと、xに3という数字を入れたら6という数字が返ってくるという、ただ単にそれだけのことなんです。

もう少し具体的な例も挙げておきましょう。買い物をするとき、税別価格から税込価格を計算すると思いますが、これも一種の関数です。「税別価格」という1つの数字を入れたら「税込価格」という別の数字が返ってきますね。これを式で書くとy=1.08x となるわけです(レジでは小数点以下の処理をしないといけませんが...)。

 
Q: 先ほど、いい性質を持っている関数が特殊関数だとおっしゃっていましたが、いい性質を持っている関数とは、どのようなことでしょうか?

A: いい性質という言い方は、専門的な言い回しではないのですが、例えば皆さんがsin(サイン)・cos(コサイン)について勉強された時に、沢山公式が出てきて嫌な思いをされたことがあるんじゃないかと思います。でも、公式が沢山存在しているということは、その関数がよくわかっているという証拠なんですよ。

公式が沢山あるのは、その関数がいい性質を持っているからだとも言えます。ヘンテコな性質を持っている関数を用意すると、きれいな公式が出てこないんですよね。必要に応じて、そういった、いい性質を持つとは言えない関数を使う場合もありますが、私の研究では主に、いい性質を持っている関数は、なぜいい性質を持っているのか、例えば公式はどこから出てくるのか、その背景のようなものを調べています。


Q: よくドラマなどで、数学の研究者が数式を見て「美しい」と口にしますが、いい性質というのは、その「美しい」とだいたい同じような意味なのでしょうか?

A: そうですね。近いと思います。「きれいな公式がうまく見つかればいいな」という感じなので。きれいな式とか、いい性質というのは数学的にきちんと定義されているものじゃなくて、かなり主観が強いんですよね。専門外の人にとってはぐちゃぐちゃに見える式でも、「ここがきれいだね」という人もいたりして、人によってとらえ方は結構違います。


Q: 私は数学が苦手でした。商大の学生さんの中にもそのような方がいらっしゃると思いますが、そういった人でも楽しく勉強できる方法はありますか?

A: 単位をとるために勉強するのだとしたら、しっかり勉強してもらうしかないんですよね。高校生までは、好きでもないのに計算練習を沢山させられたと思うのですが、ある程度計算を自分で出来るようにならないと、わかった感がないんですよね。なので、わかった感を出すためには、沢山計算練習をする必要があるんです。

単位をとるという視点じゃなければ、図書館に行って、数学についてやさしく書かれた入門書などを読んでみるのもいいと思います。ガリガリ計算だけする数学が苦手という人には、読み物として書かれているものを眺めるのもいいんじゃないでしょうか。

「数学といったら計算をするもの」と思っている人も多いかもしれませんが、 そういったイメージとは一味違った数学もたくさんあります。いろいろな本をかじってみると、一味違う数学の世界に触れられるでしょう。

 
Q: 数学に関する本でオススメの本はありますか?

A: 図書館にあるものなら、ブルーバックスがいいと思います。高校レベルで書いていると思うので、興味があるところを読んでみるといいと思いますよ。また、ちょっと読むのが大変かもしれませんが、岩波新書にもおもしろい本があると思います。
 
(ブルーバックス) 

・曲線の秘密: 自然に潜む数学の真理 

・四色問題: どう解かれ何をもたらしたのか 

・経済数学の直観的方法

・やじうま入試数学: 問題に秘められた味わいのツボ 

・マンガ「代数学」超入門: 足し算、引き算から2次方程式まで 

 (岩波新書) 

・数学入門 

・零の発見 

・算数的思考法

・人物で語る数学入門


Q:Barrelに掲載された文献をどのような人に読んでもらいたいですか?

A:専門的な内容なので、あまり学生さんにはおすすめできないような気がします。特殊関数に興味のある方に「こんな研究もあるのか」と眺めていただけると嬉しいです。


Q:Barrelについてご意見、感想があればお願いいたします。

A: 読みたい論文がなかなか手に入らないということがしばしばありますので、 このように論文にアクセスできる場が増えるのはいいことだと思います。  「利用統計レポート」が送られてくるのも、面白いですね。

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後藤 良彰先生のBarrel公開論文はこちらです!(2017.10.13現在)

TWISTED PERIOD RELATIONS FOR LAURICELLA'S HYPERGEOMETRIC FUNCTIONS FA

The monodromy representation and twisted period relations for Appell's hypergeometric function F4

INTERSECTION NUMBERS AND TWISTED PERIOD RELATIONS FOR THE GENERALIZED HYPERGEOMETRIC FUNCTION m+1Fm

Functional Equations for Appell's F1 Arising from Transformations of Elliptic Curves


後藤先生、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
今後も様々な方に論文にアクセスしていただけるよう、発信していきます!